日本の数字―データが語るこの国のゆたかさ松尾
義之
(著)
白日社
評価:A★★★★★
内容:今の日本では、あまりにも多くのウソが、公然と流通しすぎています。それが人々をミスリードし、先人たちが積み上げてきた知的経済的環境的財産を危うくし、それだけでなく、世界の中の日本、そして世界そのものの、本当の姿を見えなくさせています。
例えば日本は「本当にとてつもなく豊かな国」ですが、それさえよく認識されていません。現実を数字で認識し、その上に立って、日本人は豊かでない国々への目線を取り戻さねばいけないと思います。
例えば、この地球上にいったい全部でいくらお金があるのか――。そんなことを考えたことはありませんか? お金は人工的なものですから、必ず上限があるはずです。ところがなぜか、その総額を聞いたことはありません。それなのに、日本の景気だアメリカの貿易赤字だとかいった経済金融情報が流通しています。私は「おかしい!」と思います。だから、全世界のお金の約2割も持っている「大金持ちの日本」という事実さえ、たぶん日本人だけが知らないのです。
赤字国債700兆円と言われますがを、それなら、国の保有する金融資産350兆円も正しく伝えるべきです。不景気の10年といいますが、それでも日本のGDPは500兆円もあるのです。1人当たりでアメリカとほぼ同額です。
日本の年金資産300兆円は、アメリカやヨーロッパ諸国に比べてはるかに潤沢です。日本の社会保障関係費も、人口が2倍もあるアメリカとほぼ同額なのです。1人当たりで日本より多い北欧諸国は、人口が数百万人の小国家です。1億2700万人もの人口を抱えて、しかもこれだけの社会保障制度を備えた国は、私は「現代の奇跡」としか言いようがないと思います。だから平均寿命が世界一でもあるのでしょう。
地球環境、経済、食料、エネルギー、産業、科学技術の数字も、日本がいかに凄いか知ってください。わかりやすく集計・加工しましたが、「元データはすべて公開されているものです。
感想:世界各国と比較したデータが載せてあるので、世界の中の日本を認識を新たにできました。
著書の付録から物理に関する推定量を紹介。
太陽が宇宙空間に放射するエネルギー量は一日当り8.86×10^(27)Wh
全地球表面が太陽から受け取るエネルギーは一日当り2.88×10^(18)Wh
人類の一日の全エネルギー消費量は、2.79×10^(14)Whである。このエネルギー量は太陽からのエネルギーの8.21秒に相当する量である。