イラク戦争に憂慮

戦争がどんなに悲惨でばかげているかみんな気づいているのに21世紀を迎えてもまだ戦争はなくなりそうにありません。人の善意が悪意より勝り、理性が臆病を包み込むように望みます。

私はイラク戦争に反対する。アメリカのイラクに対する武力行使を支持しない。

はじめに

ここではいくつかの情報に基づいて私の意見を述べています。しかし戦時下では「情報が正確に伝わらない」、「情報はいとも簡単に歪曲される。」ということは往々にあるものです。そのような危険は認識しつつ、第三者の目にさらし、公表することで健全性を保ちたいと思います。

大義のない戦争

 03年3月20日、アメリカは「イラクの大量破壊兵器がテロリストに渡り、アメリカや他の国への攻撃に使われる」(国連安保理で主張)ことを理由にイラクへの武力行使を開始しました。小泉総理はすぐさまアメリカの情報を鵜呑みにして、「イラクが大量破壊兵器の保有しているという疑惑」に基づきアメリカの武力による武装解除を支持しました。03年5月1日、アメリカの圧倒的軍事力で首都バグダットを制圧し、ブッシュ大統領はイラク戦争の戦闘終結を宣言しました。同日のブッシュ大統領は終結宣言で「我々は自由の大義と世界の平和のために戦った」と、戦争の目的を語っていました。当初の目的であった大量破壊兵器目的は見つからず、代わりに持ち出されたのが「自由の大義と世界の平和」でした。
 初期の「大量破壊兵器の保有しているという疑惑」に基づく戦争目的にしたって、イラクが大量破壊兵器を持っていて、しかもそれがテロリストに渡り、そしてその大量破壊兵器が攻撃に使われるという、三つの仮定を前提にしたものです。とても戦争の理由にできるようなものではありません。(だからこそ国連も認めませんでした。) また慌てて持ち出された「自由の大義」とは一体なんでしょうか?専制君主的な政治より自由な民主主義のほうがよいということでしょうか?政治の形態は歴史や文化に基づくものでアメリカが与えるべきのものではありません。エゴイズム丸出しの自由が賛美されています。アメリカの価値をイラクに押し付けるべきではありません。

大量破壊兵器は使われなかった。

 当初の戦争の目的であった大量破壊兵器は未だ見つかっていません。しかし、重要なのは大量破壊兵器の有無ではありません。重要なのはイラクがアメリカに対して大量破壊兵器を使わなかった事実です。大量破壊兵器は民間人をもターゲットにする可能性があるだけでなく、放射能や生物兵器による細菌は使用した後の影響も大きいものです。アメリカはイラクがこの危険な兵器をテロ組織に渡るにちがいない。もしくは世界に対して使用するに違いないといった憶測に基づいて戦争をしかけました。しかし実際はどうっだったでしょうか。イラクは自国の領土を侵害され、ぎりぎり状況だったのにも関わらず大量破壊兵器を使いませんでした。これはアメリカの憶測に反し、イラクが世界の脅威にはならないという何よりの証拠です。
 また、米国の『タイム』誌では「大量消滅兵器」という皮肉な題名のついた特集もおこなわれています。 (イラクの)核兵器開発の「根拠」とされた情報は、IAEA(国際原子力機関)に「お粗末な偽造文書」と否定されました。テロリストとの結びつきの「根拠」とされた情報は、大学院生の論文を借用してねつ造したものであることが判明しました。アメリカの国防情報局(DIA)が「化学兵器が存在する信頼できる十分な証拠はない」と、昨年の秋、報告していたことも明らかになりました。つぎつぎと根拠が崩れていきます。

以上示したとおり、戦争をする根拠や目的が到底納得できるものではありません。
よってイラク戦争に反対します。


備考

●もし日本がイラク戦争を支持していなかったら

対米関係は悪化し、北朝鮮から攻められ、ミサイルやテロで何十万単位で死傷者が出る恐れもあります。(もちろんその後北朝鮮戦争に勝つことはできますが)。一番のお客さんであるアメリカからは日本製品不買運動対策が練り出され、輸出業者は打撃を受けるでしょう。

石油の輸入も制限されます。石油の値段が高騰し、インフレがおきます。失業者が増え、治安の悪化が予想されます。今まで通りの高水準な生活が遅れません。電力不足によりパソコンは自由に使えなくなり、停電も頻繁に起こるでしょう。普段私が大学でしている実験もできなくなるかもしれません。

●イラクへの自衛隊派遣に反対

政府は、戦争の大義に関する疑問を残したまま「イラク特措法」を制定し、同法に基づき、非戦闘地域に自衛隊を派遣する基本計画を閣議決定しました。しかし、私は以下の理由により自衛隊派遣に反対します。
理由1:イラクは非戦闘地域が一瞬にして戦闘地域に変わり得る状況であり、自衛隊派遣の枠組みを定めた同法の前提さえも満たしていません。
理由2:かりに自衛隊が戦闘行為に巻き込まれれば、海外における武力行使を禁じる憲法に抵触します。
自衛隊の派遣を決めた基本計画をただちに撤回し、イラク特措法にもとづいて自衛隊を派遣することのないよう、政府に強く求めます。

●イラクへの自衛隊派遣に反対の続き

残念ながらイラクの自衛隊派遣は現実のものになりそうです。自衛隊派遣には反対ですが、もし行くとしても以下の3つの条件を守ってもらいたいです。

条件1、自衛隊員の安全と名誉の確保
自国の若者の血を流すわけにはいきません。自衛隊はテロに備えてきちんと装備を派遣されるべきです。
命を懸けてイラクへ行く方々には名誉とたくさんの手当てを与えてください。

条件2、イラク市民に感謝される活動しかしない
医療行為や下水道完備、技術の伝播、学校の設立などがイラク市民から感謝されます。両国の友好のためイラク市民に感謝される存在であって欲しいです。
逆に検問や要人護衛やテロ(レジスタンス)犯捜索などは嫌われます。
レジスタンス活動を妨げる支援もするべきではありません。

条件3、イラク派遣によって経済的見返りがあること
イラクのインフラを整備することによって石油の輸出を安定化させたり、復興に当たっての市場に日本企業が参加し利益を得ることなど必ず日本の経済にとってプラスになることを見込んで派遣してください。

●イマジンの歌詞は好き。
Imagineの歌詞へのリンク